Nov 4, 2021

ブランド神話にとらわれない――仮想デスクトップの導入はニーズの整理から

【図 1】使いやすい仮想デスクトップなら、社員はどこからでもストレスなくログインし、業務を完了できます。(画像提供:Pexels)

この 2 年間、COVID-19 の影響でリモートワークの需要が高まり、社員が社外でもオフィスと同じように働けるよう「使いやすい」仮想デスクトップ(VDI)を導入することが、企業にとって喫緊の課題となっています。しかし、仮想デスクトップは決して新しいものではなく、その設計や用途も社員のリモートワークにとどまりません。ソフトウェア開発会社 5xRuby(5XRUBY)のコンサルタントである鄭郁霖(Yu-Lin Cheng)は、企業がまず自社の体質とニーズを整理したうえで構築・導入してこそ、仮想デスクトップの効果を本当に発揮できると指摘します。

リモートワークが仮想デスクトップの整備を加速

鄭郁霖によると、仮想デスクトップがリモートで働く社員にとって重要なのは、会社のセキュリティポリシーに沿いながら、どこにいても業務に必要なソフトウェアや文書を提供できるからです。社員は社外にいても、まるで会社のパソコンの前に座っているかのように作業できます。さらに、より多くのニーズは企業の内部から生まれています。

1. 個人情報の流出を防ぐ

EC を例にとると、多くの消費者の個人情報がクラウドサーバーに保存されています。企業は、セキュリティが堅固で管理しやすい独立した仮想オフィスを構築し、資格のあるアカウントだけが接続・閲覧でき、個人の端末には保存できないようにして、「データを手元に残さない」状態を実現する必要があります。

2. ソフトウェアの生産性を最大限に引き出す

高精度・高スペックのソフトウェアの多くは非常に高価で、社員一人ひとりのパソコンにインストールするのは費用対効果に見合いません。そこで企業は、ソフトウェアを仮想デスクトップにインストールし、必要な人がログインして使えるようにしています。 

3. エンジニアに必要な特別な実験環境をつくる

大型機械の開発のように、専門性の高い特殊な製品の背後には膨大なプログラムが存在します。エンジニアがテスト、修正、最適化を行う際には、仮想デスクトップにログインし、実際の状況を再現した環境で作業を完了できます。

 仮想デスクトップで達成できる目標は多様かつ複雑です。そのため、大手ブランドの仮想デスクトップはあらゆる機能を網羅しており、構築コストも高くなります。企業は大金を投じて「すべてを買いそろえた」あとで、複雑すぎて使いものにならないことに気づくことが少なくありません。その結果、「予算とニーズに応じて規模を調整できる」かつ「使いやすい」仮想デスクトップへの需要が大きく高まっています。

 

【図 2】:仮想デスクトップの基盤を早めに整えておいてこそ、いざというときにすぐ対応できます。(画像提供:Pexels)

人にやさしい仮想デスクトップの需要が拡大、使いやすさと管理しやすさが主な目標に

なかでも最も顕著なニーズは、「社員がリモートワークしやすくすること」です。社員の多くが情報工学のバックグラウンドを持たない企業では、社員が自宅で複雑な仮想デスクトップを使いこなすことはできません。利用のハードルを下げることが最優先課題となります。そこで、使いやすい仮想デスクトップを選べば、管理、セキュリティ、利便性をすべて両立でき、社員は特別な接続設定なしにリモートでの文書作業や管理フローをスムーズにこなせます。この種の仮想デスクトップでは、個人用プリンターなどの周辺機器に対応しているかどうかにも注意が必要です。

2 つ目は、IT サーバールームにおけるサーバー運用・保守の用途です(踏み台サーバー、要塞ホストとも呼ばれます)。これまで企業は VPN を使って外部ベンダーにリモートでの操作や保守を任せてきましたが、それに対応する記録、監査、管理の仕組みがなかったため、問題が起きてもどこから手をつければよいかわかりませんでした。現在は、仮想デスクトップによる集中管理に加え、画面録画、録画の再生、操作ログ、厳格な権限申請・承認フローといった仕組みによって、IT 部門がより高いレベルで状況を把握できるようになっています。 

こうした機能や仕組みはいずれも重要であり、5xRuby がリリース予定の仮想デスクトップサービスもこれらのポイントを非常に重視しています。UI と UX のデザインへのこだわり、集中管理と使いやすさを兼ね備えた仮想デスクトップの開発、そしてソフトウェアをインストールせずに接続・ログインできる特長によって、リモートでの作業と管理を透明かつ手軽なものにします。また、顧客の予算に応じて「臨機応変」に対応でき、顧客が利用するさまざまなホスト環境に合わせて必要に応じて調整し、規模と機能を柔軟に変えることができます。企業ごとに重視する仮想デスクトップの構成は異なり、仮想デスクトップの構築規模も大小さまざまです。ブランド神話にとらわれず、各仮想デスクトップの仕様や数値の背後にある効果を見極め、自社のニーズと目標に照らし合わせてこそ、本当に必要な仮想デスクトップを見つけることができます。

 最後に、鄭郁霖は長年の実務経験から、企業が仮想デスクトップの導入を成功させるには、十分な予算に加えて、経営者や上級管理職が自ら腕まくりして率先して使うことが欠かせないと助言します。まずは承認フローから始めることを勧めており、経営者がこれほど重視している姿を見れば、社員もそれに続くといいます。将来のさまざまな不確実性に備え、仮想デスクトップの基盤を早めに整えておけば、いざというときにすぐ対応でき、急ごしらえの構築による使えないシステムやデータ漏えいといった問題も避けることができます。

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会社概要

5xRuby(五倍紅寶石股份有限公司)は 2014 年に設立された、台湾で Ruby プログラミング言語に精通した代表的な企業の一つで、Ruby on Rails フレームワークを中心としたウェブサービスを手がけています。顧客ブランドは台湾、シンガポール、日本などに広がり、海外スタートアップの越境 EC サービス開発を支援してシリーズ A の資金調達成功に貢献したほか、多くの台湾上場企業向けに自社アプリやウェブサービスを開発してきました。ブランドへの技術相談や企業向け技術顧問などを通じてウェブ開発の基盤づくりを全面的に支え、専門的なウェブソリューションを提供しています。

 

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