Cookie の「戦国時代」へ――ブランドが次に打つべき手のガイド

来年から Google はサードパーティ Cookie を廃止し、消費者がネットを閲覧しても、ブランドの広告がどこまでも追いかけてくることはなくなります。このニュースはデジタル業界に衝撃を与え、影響を受けるブランドはすでに適切な代替策を探し始めていますが、多くの企業はいまだに途方に暮れている状態です。米国の広告テクノロジー企業 IAS が年初に発表した調査レポートによると、デジタル業界関係者の 61% がサードパーティ Cookie の廃止を 2021 年最大のデジタル関連の出来事と考えており、76% がこの変化によって広告技術の発展とインターネット技術の革新が加速すると考えています。5xRuby 共同創業者の趙子皓(Tsehau Chao)は「私たちはすでに Cookie の戦国時代に突入しました。これから広告技術やインターネット技術が百家争鳴の状態となる一方、ブランドは時代をリードする新たな手法を見極めようと様子をうかがっています」と述べています。
サードパーティ Cookie の廃止は昨年から動き出していた
Cookie がデジタル業界の一大事とされる最大の理由は、ブランド顧客が Google のサードパーティ Cookie サービスに大きく依存していることです。「たとえば GA(Google Analytics)を通じてオーディエンス像を把握し、消費行動を記録するなど、ほぼ個人を特定できるほどです」と、5xRuby 技術ディレクターの邱政憲(ペンネーム:蒼時弦也、以下「蒼時」)は語ります。広告テクノロジー企業のサービスの多くは Cookie の上に成り立っており、ブランドがより精度の高いマーケティングを行い販売目標を達成するのを支えてきました。しかし、プライバシーを追跡されることに次第に反感を抱き、さらにはセキュリティ上の懸念を持つ消費者も少なくありません。そこで GDPR(EU 一般データ保護規則)や CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)が生まれました。日本でも半数近く(44%)の人がプライバシー規制の強化を重要な課題と認識しており、日本は昨年 6 月に改正「個人情報保護法」を公布し、利用者のプライバシーを全面的に保護しています。
蒼時は「現在も消費者のネット上の行動の大部分は Google で行われています。だからこそ Cookie の廃止はブランドに大きな影響を与えるのです。Google がサードパーティ Cookie を正式に停止する前から、ブランドは準備を始めるべきです」と述べています。現在、Cookie のない時代の到来に合わせて、独自技術を開発している広告テクノロジー企業も少なくありません。たとえばサードパーティの技術ツール Fingerprint は、ブラウザやデバイスのフィンガープリントを用いて固有の ID を生成し、ブランドがその ID を追跡できるようにしながら、利用者のデータの安全も守ります。また、スポーツブランドの Nike や旅行予約ブランドの Trip など、多くの大企業が自社のオーディエンスデータを活用して、適切なオンラインサービスのマーケティングを行っています。
サードパーティ Cookie がなくなることによる、ブランドへの直接的な影響
5xRuby 共同創業者の鄧慕凡(Mu-Fan Teng)は、最も直接的な影響として、まずユーザーがログインしていない状態や、自ら個人情報を提供しない状態では、ユーザーデータを取得して行動を追跡することができなくなり、ブランドとオーディエンスのつながりが直接断ち切られる点を挙げています。二つ目の影響は、匿名ユーザーをターゲティングしたり、特定のオーディエンスに向けて広告を配信したりできなくなることです。「これは現在のネット広告で最も一般的な手法です!」と鄧慕凡は言います。広告のターゲットリストを絞り込めなければ、広告のコストや費用にも影響が出て、より高くなる可能性があり、さらにはテレビ広告の時代に逆戻りすることさえあり得ます。
Google は現在、新たな代替技術 FLoC(Federated Learning of Cohorts)をテスト中と伝えられています。これはユーザーの閲覧履歴に基づいて異なる「グループ」に分類し、プライバシー保護を図るものですが、今なお流動的な要素が多く残っています。セキュリティ保護を重視するブラウザ Brave は、ユーザーの同意なく閲覧履歴によって「グループ分け」する手法も、同様にプライバシーの侵害だと考えています。先行きが見えない中、鄧慕凡は顧客に対し、まずブランドそのものに立ち返って考え、以下に挙げる 4 つのように、オーディエンスを継続的に理解するための別の方法を見つけるよう勧めています。
Cookie のない時代に向けて、ブランドが今から始められる 4 つのこと
1. 自社のデータ資産を構築する
ブランドサイト、EC サイト、キャンペーンページのいずれであっても、サイトの利用者にできるだけ自発的にデータを残してもらうことで、広告コストを下げられます。米国のクーポンサイト RetailMeNot の調査によると、コロナ禍の期間中に 70% の人がこれまで以上に商品の割引を重視するようになりました。プロモーションやお得な特典を通じて、消費者の会員登録を促し、ユーザーデータを蓄積できる可能性があります。もちろん、見やすいサイトデザインはブランドの評価をさらに高めてくれます。
2. 効果的な技術サポートを取り入れる
サードパーティのサービスが Cookie にアクセスすることが難しくなるため、EC ブランドは自社の顧客追跡の仕組みを構築し、チャット機能やチャットボットなど、さまざまなツールを使って顧客の理解を続ける必要があります。また、Facebook Conversions API などのソーシャルプラットフォームのサービスとの連携もおすすめです。Cookie の制約から解放され、ユーザーの訪問経路を詳細に記録することで、一定のデータ精度を確保できます。
3. ウェブサービスを更新・最適化する
ブランドにとって Cookie がもはや最重要の検討事項でなくなれば、顧客は自社のウェブ技術サービスを見直し、更新する必要があります。技術的に精度の高い配信ができない状況では、ディスプレイ広告の重要性もそれに伴って低下します。そのため、ブランドがウェブを通じて消費者に届けるコンテンツには、より大きな「影響力」が求められます。ウェブサービスをいかに柔軟に活用するかが鍵となります。
4. 広告予算を再配分する
デジタルツールの変化は、ブランドの年間予算編成にも必ず影響します。Facebook や Instagram など、Cookie の影響を受けないソーシャルプラットフォームでは、引き続きパーソナライズされた広告を配信できます。ブランド戦略の方向性を練り直し、予算配分を見直して、時間と労力を正しい場所に注ぎましょう。
Cookie をめぐる混沌とした変化の時期にある今、ブランドはいずれにせよ「動き出す」準備をし、未来を迎える準備を前もって整えておく必要があります。
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会社概要
5xRuby(五倍紅寶石股份有限公司)は 2014 年に設立された、台湾で Ruby プログラミング言語に精通した代表的な企業の一つで、Ruby on Rails フレームワークを中心としたウェブサービスを手がけています。顧客ブランドは台湾、シンガポール、日本などに広がり、海外スタートアップの越境 EC サービス開発を支援してシリーズ A の資金調達成功に貢献したほか、多くの台湾上場企業向けに自社アプリやウェブサービスを開発してきました。ブランドへの技術相談や企業向け技術顧問などを通じてウェブ開発の基盤づくりを全面的に支え、専門的なウェブソリューションを提供しています。
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